AIにプレス加工の原理を教える:図を超えた言葉の重要性

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プレス金型の構造や理屈をAIに理解させ、図や動画で正確に表現させることは、予想以上に難しいテーマです。
AIに対して金型の各部品やその役割、工程の意味を図で説明する試みを重ねてきましたが、どこかしらにズレや解釈の違いが生じます。私たちが当たり前のように理解している「経験値」や「職人的な勘」をAIに教え込む難しさを痛感しました。

例えば、単純に「パンチとダイ」「ストリッパープレート」「ガイドポスト」といった部品を並べた図だけでは、AIはそれらがどのように連動し、どのような現象が起きるかを完全には把握できません。また、工程の中で発生する不具合や微妙な調整のニュアンスは、長年の経験に基づく知識が必要です。これをAIに伝えるのは、まるで手探りのような作業です。

言葉として表現し、データベースを作る

この経験を通じて感じたのは、ノウハウや経験値を言葉として明確に表現し、それをデータベースに格納することの重要性です。具体的には、以下のようなステップが必要だと考えています:

  1. 問題や不具合に直面したときの原因分析や改善策を詳細に言語化。
  2. 部品の役割や動作の原理をシンプルな言葉で整理。
  3. これらをAIが参照可能な形でまとめる。

こうしたアプローチにより、AIが現段階で完全に「理解」できないとしても、ノウハウをベースにした適切なアドバイスや問題解析のサポートが可能になるはずです。

進化するAIに期待する未来

今後、AI技術はさらに進化し、図や動画から簡単に各工程の意味をより深く理解し、問題解析や改善策の提案がスムーズに行えるようになると信じています。もしかしたら、数年後にはAIが金型の理屈を完全に理解し、的確な回答を提供する未来が訪れるかもしれません。

しかし、そのためには、現在の試行錯誤や知識の整理が欠かせません。苦労の中で生まれる「気付き」こそが、未来のAIを支える基盤となるはずです。私たちの経験や知識がAIに受け継がれ、さらに発展する瞬間を楽しみにしながら、今後も挑戦を続けていきます。