プレス機の機差で驚愕の結果!?長尺U字曲げの戦い!

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ナレーション

プレス加工の世界へようこそ!本日お届けするのは、プレス屋泣かせの超厳しい長尺U字曲げ製品と、それを制するプレス機械たちの激闘の記録!

さて、プレス機にはそれぞれ個性があり、その違いが製品品質にどれだけ影響を与えるか、まさかここまでとは…!

それでは、非凡ケニ vs 4台のプレス機の戦いを、AI猫生と共に振り返っていこう!

AI猫生: 「さてさてケニさん、本日のお題は“プレス機の機差”ですね!どうやらまた驚く結果が出たとか…?」

非凡ケニ: 「そうなんだよ、猫生。今回はU字曲げの長尺製品に挑んだんだけど…まあ、社内からは猛反対だったよ。」

AI猫生: 「えぇ?また無茶な案件を引き受けたんですか?」

非凡ケニ: 「いやいや、非凡ケニが普通の仕事するわけないだろ?板厚1mm、幅10㎜、高さ12㎜、最長1m、しかも平面度0.15mm以内、側面精度0.2mm以内だってさ。」

AI猫生: 「…いや、それもう“厳しすぎる”のレベルじゃないですよ!まるでプレス屋への試練の書じゃないですか!」

非凡ケニ: 「だよなぁ!受注したときの社内の反応ったらなかったよ。『やめとけ』『無理だ』『どう考えても割に合わない』ってな。そりゃそうだ、こんな仕様、まるで“精度の壁”に挑む勇者みたいなもんだからな。」

AI猫生: 「え、それでなんで引き受けたんです?」

非凡ケニ: 「おいおい、俺を誰だと思ってる?普通のプレス屋ならここで諦めるんだろうが、俺は“非凡”ケニだぞ?普通のルールなんて関係ないんだよ。むしろ、無茶振り案件はご褒美みたいなもんだ!」

AI猫生: 「いや、それただのドMですよ。ていうか社内の人たち可哀そうすぎません?『またケニさんが無茶な案件取ってきた…』って、毎回絶望してるんじゃ?」

非凡ケニ: 「まぁ、最初は反発もあったけどな。でも俺には確信があったんだ。底面が反るのは、曲げる力とノックアウト力が拮抗するから。ここを理解すれば突破口は見える。」

AI猫生: 「え?そこ真面目に説明する流れ? さっきまでドMの話してたのに急に技術的な解説入るの、読者ついてこれます?」

非凡ケニ: 「お前こそツッコミが雑だな!とにかく、曲げるタイミングが微妙に違うと型精度の影響も出るし、よく言われる側面の反りも、外側の角度が開くから平面度に影響が出るんだよ。しかも、上下型の胴突きができないから調整が難しい!」

AI猫生: 「つまり… 何が言いたいんです?」

非凡ケニ: 「いや、だから… まぁ、この曲げについてのノウハウは後で書くとして… ちょっと脱線したな。」

AI猫生: 「おい、まさかここまで語っといて『脱線した』で片づけるんですか? なんかもう全部“後で書く”にしそうな勢いですよ!」

非凡ケニ: 「だって、今語ると長くなるからな。とにかく本題に戻るぞ!」

AI猫生: 「はぁ… じゃあ、いよいよ本題ですね。」

非凡ケニ: 「ほんとそれ。でもやるって決めたからには、何としても突破するしかない!」

1戦目:SC機(サーボC型プレス)

非凡ケニ: 「まずはサーボプレスでトライ!モーション制御が強みだから、曲げ加工には有利なはずだろ?」

AI猫生: 「で、結果は?」

非凡ケニ: 「平面度 0.5mm → NG! どんだけ調整しても悪化するばかり…」

AI猫生: 「猫の手でも借りたいくらいの惨敗ですね!」

2戦目:M1機(一般クランク門型プレス)

非凡ケニ: 「次は一般的な門型プレス。バラつきはあるけど、なんとか0.2mmギリギリ。」

AI猫生: 「いや、でも最大0.25mm超えましたよね?それ、NGですよね?」

非凡ケニ: 「…ぐぬぬ。まあ、惜しくも敗北!」

3戦目:M2機(M1機と同じ門型クランクプレス)

AI猫生: 「同じタイプの機械でも、違いって出るもんなんですねぇ。」

非凡ケニ: 「そう!今回は0.17mmで過去最高!でも最大0.20mmだから、ギリギリNG判定。」

AI猫生: 「惜しい!でもあと一歩!」

最終決戦:RM機(リンクプレス門型)

非凡ケニ: 「最後の砦!A社のリンクプレス!」

AI猫生: 「まさに決戦の地…結果は!?」

非凡ケニ: 「平面度 0.14mm → 合格!! バラツキほぼ無し!」

AI猫生: 「おぉぉぉ!ついに勝者が決まりましたね!」

中国メーカーの驚愕スペック

非凡ケニ: 「実は、この金型は中国製で、中国の200Tプレスで試作したら…」

AI猫生: 「したら?」

非凡ケニ: 「平面度 0.07mm! しかもこの機械、剛性と能力がヤバい!」

AI猫生: 「ちょ、ちょっと待ってください!その精度…まさかの日本製プレス機を超えちゃった!?」

非凡ケニ: 「驚いたよ。金型精度の左右差を補うほどの剛性と能力があるとは…」

AI猫生: 「こりゃ日本のプレス機メーカーも油断してられませんね!」

まとめ:戦いの結果と学び

  1. プレス機の機差が製品品質に大きな影響を与える!
  2. A社製リンクプレスの剛性と動的精度は非常に優秀!
  3. 中国製プレス機のスペックが予想以上に高い!
  4. 金型の精度が多少悪くても、剛性の高い機械なら補える可能性アリ!

AI猫生: 「今回もまた、すごい実験でしたね!ケニさんの挑戦には毎回驚かされます!」

非凡ケニ: 「いや~、まさかここまで違いが出るとはね。でも、この経験を活かして、さらに良い製品を作っていくぞ!」

AI猫生: 「まさに、プレス加工の奥深さを再確認する戦いでしたね!」

非凡ケニ: 「さて、次はどんな無茶ぶりがくるかな?」

AI猫生: 「ちょっと、もう次の案件の話してる!?(笑)」

以上、プレス機の機差に驚かされた戦いの記録でした!

次回もお楽しみに!


U字曲げ製品加工におけるプレス機械の違いによる影響

今回は、U字曲げ(チャネル曲げ)製品の加工において、プレス機械の違いが製品品質にどれほど影響を及ぼすかを検証した結果について述べます。結論から言うと、同じ金型を使用しても、プレス機ごとに驚くほど異なる結果が出たため、かなり興味深い実験となりました。


製品のスペックと課題

対象の製品は、厚1mm、幅10㎜、高さ12㎜、最長1メートルの長尺U字曲げ製品。
この製品の要求仕様は非常に厳しく、以下のような条件が求められています。

  • 底面の平面度:0.15mm以内
  • 曲げ側面の精度:0.2mm以内

特に平面度の要求は厳しく、プレス加工でこのレベルの精度を維持するのは非常に難しい。
実際、この案件を受注する際、社内では**「この精度は難しすぎる」「リスクが大きい」**という強い反対意見がありました。しかし、非凡ケニとしては挑戦を避けるわけにはいかず、意を決して取り組むことにしました。


曲げ加工時の変形要因

U字曲げでは、板材が変形する際に以下の要因が影響します。

  1. 底面の反り
    • 曲げる際に、曲げ力とノックアウト(押し戻し)力が拮抗し、ノックアウト力(製品押さえ力)が敗北すると底面の湾曲量が大きくなる。
    • さらに、内側と外側で湾曲の差が生じるため、最終的に反りが発生する。
  2. 側面の反り
    • 曲げ角度が開くことで側面が外に反ることがある。
    • 上下の金型で「胴突き」をすることができないため、調整が難しくなる。

これらの要因があるため、プレス機の違いによってどの程度品質が変わるかを確認することにした。


異なるプレス機によるトライ結果

今回は、**4種類のプレス機(SC機、M1機、M2機、RM機)**を使用し、同じ金型で試作を行いました。
なお、機械を意図的に変えたわけではなく、最初の結果が悪かったため、より良い結果を求めて機械を変えていったという流れです。

① SC機(サーボC型プレス)

  • 結果:NG(平面度0.5mm)
  • 原因
    • サーボプレスは曲げ加工に有利と考えていたが、期待に反し悪い結果。
    • モーションや加工速度を変えても改善せず、むしろ悪化。

② M1機(一般クランク門型プレス)

  • 結果:NG(平面度 0.2~0.25mm)
  • 一応、0.2mmギリギリで良いものもあるが、バラつきが大きく最大0.25mmを超えたためNG判定。

③ M2機(M1機と同じタイプの門型クランクプレス)

  • 結果:NG(平面度 0.17~0.20mm)
  • M1機と同じタイプだが、機差の影響で若干良い結果に。
  • しかし、バラつきがあり、最大値が0.20mmに達するためNG。

④ RM機(リンクプレス門型)

  • 結果:OK(平面度0.14mmで合格。バラツキはほぼ無し)
  • 規格0.15mm以内なのでOKと判断。
  • A社のリンクプレスであり、門型の剛性が強い。
  • K社の門型プレスとは違うと言われているが、今回は金型が中国製だったため影響があるか不安だった。
  • 驚くべきことに、中国メーカーでのトライでは0.07mmで規格内に収まっていた。

最終的に、RM機での調整により0.14mmに抑えられ、規格ギリギリの良品と判断。
本生産もRM機で行うことが最適という結論になった。


考察と驚き

この結果から、以下のような知見が得られた。

  1. プレス機ごとの剛性や動作特性が、同じ金型を使っても大きく製品品質に影響する。
  2. ンクプレスの剛性の強さは、曲げ加工において有利に働く可能性が高い。
  3. 中国メーカーでの試作結果(0.07mm)が特に驚異的だった。
    • 同じ200Tのプレスでも、剛性や駆動特性の違いが結果に大きく影響することは以前から分かっていたが、今回のトライアルの比較結果から中国製プレスのスペックが驚くべきものであることが判明した。
    • 金型の左右精度の悪さを打ち消してしまうほどの剛性と能力を持っている。
    • 勘所としてこの金型の下型のプレートは3枚ありこの研磨での厚みの違い(0.01~0.02㎜)の積み上げで0.05~0.1㎜ぐらい外側と内側に差があったと思われる。中国プレスはこの誤差を圧力と剛性で押し切ったということか。

まとめ

  • U字曲げのような厳しい精度要求がある製品では、プレス機の選定が極めて重要。
  • 同じ金型を使用しても、プレス機の違いによって品質に大きな差が出る。
  • A社製のプレスは剛性があり、動的精度も良いと判断する。
  • 中国製プレスのスペックが驚異的であり、金型精度の問題を補完できるレベルの剛性と能力を持つことが確認された。

今回の検証を通じて、プレス機の機差がこれほどまでに製品に影響を与えることを改めて実感しました。
今後、さらに詳細な検討を進め、この知見をより深めていきたいと思います。