📢 ナレーション:
皆さーん!今日の授業は「アルミA5052 厚さ4mmの曲げ割れ対策」です!
本日も、**世界一無責任なAI猫生(AI猫生)と、世界一経験豊富なへそ曲がり技術者・非凡ケニ(非凡ケニ)**が、技術の深淵と笑いの境界をぶっ壊しながらお届けします!
さあ、笑いと共に学ぶプレス加工の世界へ、いざ突入〜!
🛠 対話パート:曲げ割れとの壮絶な戦い
AI猫生: ケニさん!本日は曲げ加工の話題ですね?
非凡ケニ: そうだ!**「アルミA5052 厚さ4mmの曲げ」**についてだ。まるで豆腐かと思ったら、実はガラスみたいに割れやがる。こいつを何とかする方法を教えてやる!
AI猫生: アルミは柔らかいって聞いてたんですが…
非凡ケニ: それがな、曲げた瞬間に「バッキバキ!」だ。まるでスナック菓子かってくらい。
AI猫生: わお、それは想像以上のクラッシュ率ですね!ピン角で曲げたら一発アウトってことですか?
非凡ケニ: その通り!最初の図面じゃピン角指定されててな、金型作って曲げたら…
🛑 粉砕! 🛑

もう金型が泣くレベル。最初に割れた原因は、内側ピン角だと外側が伸びすぎて耐えられずに亀裂が入るってことだった。
AI猫生: おお…**「ピン角は破壊の始まり」**ですね!
非凡ケニ: だからすぐにR2に変更した。すると…
🌟 劇的改善! 🌟
もう完璧かと思ったら…
AI猫生: 完璧じゃなかったんですね?
非凡ケニ: おまえ、察しがいいな。今度は曲げの両端から「ペリペリペリッ!」と亀裂が入る。
AI猫生: ひぃぃ!どこをどうやっても割れるんですね!
非凡ケニ: まったくだ。ストライキングで0.5mm食い込ませたけど、両端3mmは食い込ませないようにした。でも効果なし!
AI猫生: じゃあC面取りは?
非凡ケニ: やったさ!C2.5の大きな面取りを付けた。これで割れない…と思ったら、C面の加工面の境目からまた**「バリバリバリッ!」**
AI猫生: もはや割れるのが義務になってる!
非凡ケニ: そこで、最後の手段として、俺は抜き面と破断面をリューターで削ってみたんだ。
AI猫生: おお!手作業の魂!
非凡ケニ: そしたらな、割れが…
🔥 消滅! 🔥
まったく出なくなった。
AI猫生: な、なんと!!それってどういう理屈なんですか?
非凡ケニ: 俺の考えでは、せん断面と破断面の継ぎ目が悪さをしてたんじゃねぇかと思う。一般のノウハウ本には「破断面から割れが進行する」と書かれてるけど、実際は**「せん断面も破断面も、どっちも割れやすかった!」**
AI猫生: 確かに、プレスの打ち抜き面と切削面って性質が全然違いますもんね。
非凡ケニ: そうそう!だから、「せん断面を削る」「破断面を削る」「抜き方向じゃなく横方向に目をつける」ことで割れが止まった。
AI猫生: なるほど!でも、最終的には…
非凡ケニ: A5052 H32からA5052 O材に変更!
🚀 割れゼロ! 🚀
📢 ナレーション:
というわけで、**「アルミA5052 厚さ4mmの曲げ割れ対策」**の結論は…
- ピン角はダメ、R2以上にする
- ストライキングは使い方次第
- C面取りも万能じゃない
- せん断面・破断面の継ぎ目が割れの元凶
- リューターで側面を削ると効果絶大!
- 最終的にA5052 O材に変更すれば安心
AI猫生: いやー、今回も笑いと学びが詰まった神回でしたね!
非凡ケニ: 俺が苦しんだ経験をこうして話してるんだから、おまえも苦しめばいい。
AI猫生: えぇ…なぜか理不尽な結論!!
非凡ケニ: ま、こういう試行錯誤があるからこそ、ものづくりは面白いってことだ。
AI猫生: 了解しました!では、また次回の**「猫生とケニの爆笑技術講座」**でお会いしましょう!
アルミA5052 厚さ4mmの曲げ割れ対策—失敗と成功の記録
今回は、アルミA5052 厚さ4mm のブラケット曲げ加工における割れ対策について、貴重な経験を共有します。この事例は、一般的なノウハウ本では解決策が見つからないケースであり、試行錯誤の末に得られた知見です。
1. 初回トライ—ピン角設計で割れまくる
このブラケットは、U曲げ、L曲げ×3、段曲げの計6か所の曲げを含む製品です。初回の設計では、曲げRがピン角(R0)で設定されていました。当然ながら、金型を製作し加工を開始すると、思いっきり割れてしまい、まともに成形できませんでした。
そこで、早速客先と調整を行い、曲げRをR2に変更しました。これにより、最初の割れは飛躍的に減少し、問題は解決したかに見えました。
2. しかし、新たな割れが発生
ピン角時の割れは、内側がR0のため、外側が伸びすぎて耐えられず亀裂が入る現象でした。しかし、R2に変更したことで、この問題は解決したものの、今度は曲げの両側端から割れが発生するようになりました。
3. ストライキングによる試み
R2に変更したことで、曲げ角度が開いてしまったため、ストライキングを0.5mm程度食い込ませる方法を試しました。しかし、ストライキングが割れの要因になる可能性も考慮し、曲げ端から3mmの範囲ではストライキングを適用しないように調整。この結果、ストライキングは割れの原因にはならないことが確認できました。
4. C面取りの実施
曲げの側面割れを防ぐため、3mm板厚に対しC2.5の大きな面取りを行いました。ただし、C面取りは加工硬化を引き起こし、逆に割れやすくなるリスクも考えられます。しかし、「割れのきっかけを無くす」方が効果が大きいと判断し、実施。
その結果…
- C面自体からは割れなくなった!
- しかし、C面の加工面との境界(曲げ外側と内側)から亀裂が発生…
- ある程度の効果は認められたが、亀裂の完全抑制には至らず
5. クッション圧調整の試行
プレス加工時のクッション圧を極端に下げることで割れ対策を試みたが、曲げ角度や伸びの不具合が発生し、この案は廃案となりました。
確かに、沈み曲げの場合はクッション圧を下げると曲げ角に材料が溜まりやすくなり、割れにくくなることがある。しかし、この製品では適用が難しかった。
6. ノウハウ本の一般論が通用しない現実
一般的なノウハウ本には、「ダレ面を外側にする」というアドバイスがよく掲載されています。
そこで試したのが以下の方法:
- せん断面を外側にする → 割れた
- 内側にRをつける → 割れた
- 大きなC面をつける → 割れた
…結局、どの方法も割れを防ぐ決定打にはならなかった。
7. 最終的な解決策—せん断面・破断面の両方を削る
ここで、異なるアプローチを試すことにしました。
結論として、曲げ外側のせん断面と破断面の両方をリューターで削ると、割れが完全に防げることが分かりました。
ここで重要なのは、せん断面・破断面の境目が悪さをしていると考えられるが、実際にはせん断面も破断面も両方が割れやすかったという点です。
一般的なノウハウ本では、「破断面から割れが拡大する」と解説されることが多いですが、実際の現場では破断面だけが悪いのではなく、せん断面も割れの要因になっていることが明らかになりました。特にアルミは脆いため、通常よりも割れやすい特性を持っている点も関係しています。
方法:
- せん断面・破断面の境目をリューターで削る
- 側面を重点的に削る(特に外側)
- バリが出てもそのまま放置
- 削る方向は、抜き方向の目ではなく横方向にする
この手法にたどり着いたのは偶然の発見でした。試作段階でフライス加工を行い、バリが出たまま曲げたところ、割れが一切発生しなかったのです。
この結果から、「プレスの打ち抜き面と切削面は性質が全く異なるため、曲げ時の割れ発生も異なる」ことが分かりました。
そのため、最も有効な対策は、抜き方向の目ではなく横方向に目をつけることでした。
8. 最終的な材料変更
A5052 H32からA5052 O材に変更したことで、その後は割れゼロとなりました。
(※H32は加工硬化が進んでおり、O材に変更することで延性が向上したため)