導入
さてさて皆さん、本日のテーマは「二次せん断の発生と対策」。打ち抜き加工の現場でよく耳にする課題ですね。「なんか断面がガタガタしてるぞ！」なんてクレームが飛び交う前に、私たちのAI猫生とケニさんがその原因と対策を全力で語ります！ただし…AI猫生が時々ボケますので、その点ご了承ください。では、スタートです！ 下方に説明版を貼りますね。
対話（AI猫生と弊職ケニの対談）
AI猫生:
「ケニさん、『二次せん断』っていう名前、なんかヒーローっぽいですね！必殺技感ありますよね、『二次せん断ストライク！』みたいな！」
弊職ケニ:
「お前な、技名じゃなくて現場の問題だよ！加工中に断面が二重になってしまうやっかいな現象だ。笑ってる場合じゃねえぞ！」
AI猫生:
「すみません。真面目に聞きます！じゃあ、具体的にどういうメカニズムで発生するんですか？」
二次せん断の発生メカニズム
弊職ケニ:
「いい質問だ。まず、パンチが材料に押し込まれると、パンチの角からクラックがダイ方向に発生するんだ。これが最初の段階だな。」
AI猫生:
「つまり、材料が『やられた！』って感じでひび割れちゃうわけですね。」
弊職ケニ:
「そういう表現にするから誤解されるんだ！次に、パンチ刃先の真下が圧縮場になる。だから、クラックの発生位置が垂直方向にずれていく。それがバリの根本的な原因になるんだ。」
AI猫生:
「つまり、『ここ通れない！』ってクラックが方向転換しちゃう感じですね。」
弊職ケニ:
「まあ、だいたいそんな感じだな。そして、クリアランスが狭すぎるとクラックの進行が妨げられて、新しいクラックができる。これが二次せん断の原因だ。」
AI猫生:
「狭いクリアランスって、車で言えば渋滞みたいなもんですね！『進まないから別ルート行くわ』みたいな。」
弊職ケニ:
「例えは悪くないけど、お前は渋滞の原因だぞ！無駄話で会話詰まらせるな！」
二次せん断の抑制方法
AI猫生:
「二次せん断を防ぐにはどうすればいいんですか？ケニさん、魔法のツールとかあります？」
弊職ケニ:
「魔法なんかあるか！まず、基本的な対策としてクリアランスの調整だ。クリアランスを広げることで、クラックの進行をスムーズにするんだよ。」
AI猫生:
「なるほど、道を広げて渋滞解消ですね！でも、もっと高度な技術もありますよね？」
弊職ケニ:
「あるぞ。例えば、シェービング加工だな。これは二次せん断が出にくい方法で、数回に分けて切断予定位置を削り取るんだ。」
AI猫生:
「シェービング加工！これって、材料に『お肌つるつるにしてあげるよ』って感じですね！」
弊職ケニ:
「お前、美容と加工を一緒にするな！あと、ノックアウトをパンチの下側に追加する方法もある。この場合、カウンター圧を発生させて、抜き加工の10％以上の圧力を確保するんだ。」
AI猫生:
「ノックアウトって格闘技みたいですね。『オラァッ！』って一発で片付けるんですか？」
弊職ケニ:
「静かにやれ！格闘技じゃなくて、正確な加工だ。それから、パンチ刃先にR加工を施す方法もある。これで材料が逃げるのを抑えるんだが、バリはどうしても出るから、どこでバリを除去するかが重要だな。」
特殊な工法
AI猫生:
「特殊な工法って、名前からしてすごそうですね！何があるんですか？」
弊職ケニ:
「まずは積極マイナスクリアランスだ。これはダイ刃先がパンチ刃先より出っ張る設計だな。パンチが途中で止まることで、材料に独特の変形を加えるんだ。」
AI猫生:
「えっ、パンチとダイが喧嘩してる感じですか？『お前、出過ぎだろ！』みたいな。」
弊職ケニ:
「喧嘩じゃなくて調和だよ！それから、板を押しながらの加工もある。材料をパンチ側からダイ側へ押し、圧縮場を維持する方法だな。」
AI猫生:
「材料に『そこ動かないで！』ってお願いする感じですね。優しく扱うのがコツですか？」
弊職ケニ:
「加工は厳しくても愛情を持ってやるんだ。お前も無駄なボケを減らして、技術的なコメント増やせ！」
現場での応急対応
AI猫生:
「もし現場でトラブルが起きたらどうするんですか？これって緊急事態ですよね？」
弊職ケニ:
「そういう時は、パンチ刃先をR加工して平滑化するんだ。これだけで解決する場合もある。材料硬度のばらつきによるトラブルには、微調整が効くんだよ。」
AI猫生:
「なるほど、パンチを磨いてあげて『これでどうだ！』って感じですね。」
弊職ケニ:
「お前、毎回擬人化しすぎなんだよ。でも、平滑化は本当に効果的だぞ。現場では試行錯誤が重要だ。」
まとめ（ナレーター）
さて、今回はAI猫生とケニさんの対談をお届けしました。笑いあり、技術ありで、二次せん断の奥深さを感じていただけたでしょうか？最後にケニさんの名言：「加工は妥協せず、でも心にはユーモアを持て！」それではまた次回お会いしましょう！
説明版
◆二次せん断の発生メカニズム
- クラックの発生と進展
- パンチが材料に押し込まれると、パンチの角からダイ方向へクラックが発生します。
- パンチ刃先の真下は圧縮場となり、クラックの発生位置が垂直方向にずれます。
- これが切断中にバリの根本的な原因となります。
- クリアランスの影響
- ダイの切刃位置が適切であれば、クラックは材料を貫通して切断が進行します。
- クリアランスが狭すぎる場合、圧縮場がクラックの進行を妨げ、新たなクラックが発生します。このクラックが広がり、最終的には材料が押し広げられて切断されます。
- この時、初期の破断面に新たな断面やカスが塗り重ねられる形となり、これが二次せん断です。
- 現場での問題点
- 二次せん断による断面のバリや微細なカスが発生。
- バリが剥がれることで製品表面に傷や打痕がつく可能性があります。
◆二次せん断の抑制方法
- 基本的な対策
- クリアランスの調整（破断面に合わせる）
「適正なクリアランスを確保すること」と参考書には書かれていますが、実際にはクリアランスを広げることが重要です。これによりクラックの進行がスムーズになります。クリアランスが狭すぎると二次せん断が発生しやすくなります。
- クリアランスの調整（破断面に合わせる）
- せん断面を長くする方法（せん断面を100％近く得たい場合）
- シェービング加工
比較的二次せん断が出にくい加工方法で、数回に分けて切断予定位置を削り取ることで、きれいな断面を得られます。 - ノックアウトをパンチの下側に追加
工法によっては、パンチの下側にノックアウトを追加し、カウンター圧を発生させます。この場合、抜き加工の10％以上の圧力が必要となります。 - 積極的にパンチにＲを付ける一工程で加工する方法
- 工程を増やさずに実現するため、パンチ刃先にR0.5～R1.0程度の角が全くない新円にして鏡面に近い面の状態にする
- パンチの素材には高硬度の材料を使い、打抜かれる材料との親和性を抑制するために、ＰＶＤコーティングや超鋼を使う
- ダイのクリアランスを極力少なくして打ち抜きます。
- この際、パンチが煽られるため、材料が押されて逃げるの防ぐために板押さえ圧を初期より極端に強めに設定します。
- パンチにはしっかりとバックアップを取り、横方向の応力に耐えられる構造を採用します。
- それでもバリは発生します。このバリをどこで除去するのか、型内で処理するのか別工程で行うのかを検討する必要があります。
- シェービング加工
◆特殊な工法
- 積極マイナスクリアランス
- ダイの刃先がパンチ刃先より出っ張っている設計です。通常のパンチの降下ではダイとパンチが干渉するため、パンチの侵入を途中で止めます。
- この場合、パンチとダイの刃先にC面やR面を付けることが推奨されます。
- バリが大きく発生するため、バリの除去方法が重要です。
- 板をダイ側に押し圧縮しながらの加工
- 打ち抜き時に板をパンチ側からダイ側へ押し、圧縮場を維持する方法です。
- レイアウトや捨て穴を活用し、パンチ刃先を平滑に仕上げ、さらに潤滑剤を使用することで、材料の滑りを良くします。
◆現場での応急対応
材料硬度のばらつきによって二次せん断が発生し、打痕や微細なカスが問題となる場合があります。
- パンチ刃先に微小なＲをつけ綺麗に磨いた状態で、ピン角をなくした平滑な面にしただけで解決できることがあります。
