挑戦!厚板6mmにΦ2.0の穴を抜く!

打抜き

ナレーション
皆さん、今日はちょっと攻めた加工に挑戦するぜ! 通常、プレス加工での「小径パンチ」は板厚までが限界と言われているが、俺たちは常識を超えていく。 今回のミッションは SPHC 6mm厚の板にΦ2.0の穴を抜く ことだ!さあ、どんなドラマが待っているのか、行ってみよう!

AI猫生:
えっ!?Φ2.0穴を6mm厚のSPHCで抜くって、ちょっと無謀すぎません!? パンチが折れて材料に刺さりますよ~!まるで「ナイフが刺さったバター」ってレベルじゃないですか!?

非凡ケニ:
そんなイメージ最初からしない方がいいぞ。ジョークで言うなら、「お化け屋敷の中で目つぶって歩く」くらい意味がない。見えてないものにビビるなってことだ。

業界の凝り固まった常識に囚われてちゃ、新しい技術は生まれねぇんだよ。これが新しいと言えるかどうかわからないけど、最初から出来ないと決めつけていたのは、業界の方々だからな。最初の先入観でモノの可否を固定してしまっちゃ、先にすすめねぇ。

AI猫生:
いやいや、普通は板厚までの径が最小ですよ?これって「暗黙の了解」ってやつじゃないんですか?まるで「メロンパンにメロンが入ってると思ってたのに入ってなかった」みたいなもんじゃ…?

非凡ケニ:
確かにその通りだが、それはあくまで「これまでの経験則」だろ?今回、俺たちは板厚の33%(Φ2.0)に挑戦するんだ。

AI猫生:
あの…言っちゃいますけど、普通はΦ6.0が限界ですよ!?それより小さいと「なんかの間違い」とか思われません!?

非凡ケニ:
だからこそ、やる価値がある。さっきからいってるだろう~!出来ないというイメージを最初から膨らますなって。
思考としては「これをどうやったらできるのか」だぞ。人生もプレスも「工夫」が大事なんだよ。

失敗から学ぶ!6mm厚にΦ5.0の穴を開ける挑戦

AI猫生:
ねぇケニさん、以前6mm厚のSPHCにΦ5.0の穴を開けようとしたとき、最初どうしたんでしたっけ?

非凡ケニ:
ああ、あのときか。最初に考えたのは「3mmの板を2枚重ねてダボカシメで固定すればOK」という方法だった。

AI猫生:
なるほど!でもそれがうまくいかなかったんですよね?

非凡ケニ:
そうだ。カシメた2枚の間からガスが出て、不良品が続出したんだよ。

AI猫生:
つまり、分割して薄くすればいいってもんじゃなかった?

非凡ケニ:
その通り!で、俺は「6mmの材料に直接Φ5.0を開ければいいじゃん」と提案したんだ。

AI猫生:
会社の人、めちゃくちゃ驚いてたらしいですね?

非凡ケニ:
ああ。「そんなことできるの!?」って言われたけど、実際にやってみたら普通にできた。

AI猫生:
まさに「思い込みの罠」ですね!

非凡ケニ:
だからこそ、業界の常識を疑ってみるのが大事なんだよ。


なぜ、この仕様にしたのか?

非凡ケニ:
さて、ここで重要なのが「なぜこの仕様なのか?」ってことだ。単なる思い付きじゃねぇぞ。

AI猫生:
え、そうなんですか?適当に決めたんじゃ…

非凡ケニ:
バカ言え!試行錯誤の結果だ!以下の点をしっかり考慮して設計したんだ。

  • ストリッパーの厚みと材質 :パンチの振れを抑えるために剛性を確保。材質は 経年変化が少なく強靭なSKD61 を採用。
  • 加工油の供給方法 :ストリッパーから パンチが出し入れする際に自然に給油される構造 に設定。潤滑性を向上し摩耗を低減。
  • ガスクッションの使用 :押さえ荷重を最大限に強化し、 材料が抜きの応力で動かないように した。
  • サブガイドポスト : Φ25を4本配置 。精度は 「シユウっ」って抵抗なくスムーズに動く レベル。この感覚が超重要。

AI猫生:
すごっ!計算し尽くされた設計なんですね!

非凡ケニ:
そうだろ?適当に作ったら即アウトだからな。


いざ、Φ2.0抜きの金型設計!

非凡ケニ:
こうして決まった設計がこれだ。

  • ストリッパー :SKD61(40×200×200mm)、ガイド穴Φ2.0×2
  • パンチプレート :プリハードン材(25mm厚)
  • パンチ :一般超鋼
  • ガスクッション :強力タイプ×4個
  • ダイ :SKD61バッキング+ブッシュ(ただし、問題発生)
  • クリアランス :板厚の10%(やや大きめ)
  • 加工油 :日本工作油FB465(高粘度)

トライ結果と問題点

AI猫生:
おぉ!Φ2.0の穴が抜けた!?

非凡ケニ:
だが、問題がある。

AI猫生:
え、何があったんですか!?

非凡ケニ:
ブッシュが応力に耐えられず陥没し、ワーク裏面に転写されるという現象が発生した。

AI猫生:
えぇ!?せっかくブッシュ入れたのに!?

非凡ケニ:
そうなんだよ!ブッシュを入れることで耐久性が向上するはずだったが、厚板への極小径抜きではブッシュが逆に応力を集中させてしまったんだ。

AI猫生:
まさかの逆効果!?

非凡ケニ:
そう、ダイの中でブッシュが応力に耐え切れず陥没して、抜いたワークの裏側に転写されてしまった。

AI猫生:
つまり、ダイにブッシュは使えない?

非凡ケニ:
そういうことだ。

AI猫生:
いや〜、試行錯誤の結果、貴重な学びが得られましたね。

非凡ケニ:
だからこそトライアンドエラーは大事なんだよ。

まとめ

今回は「板厚の33%」という極小径抜きに挑戦し、打ち抜きは成功したものの、ブッシュの耐久性が課題として浮かび上がった。

今後の課題はどこまで小径化できるか?

AI猫生:
一体、最小で何%まで抜けるのか…!?

非凡ケニ:
俺たちの挑戦は続く!

ナレーション
今後も、新しい加工技術の可能性を探っていくぜ!また次回の実験をお楽しみに!