特別投稿『ある一家と強盗 〜戸締まりを邪魔する家族たち〜』

雑談

現代日本の安全保障・家庭版

スチール猫「今日はバリでもカス上がりでもないニャ? 図面どこいった?」

ケニ「図面どころか、工場そのものが止まるかもしれねぇ話だ。
 材料が入らない、電気も止まる、輸出も止まる
 そしたらプレス屋は一瞬で戦力外だべ?」

トワ「そう。安全保障が崩れたら、モノづくりの土台ごと吹っ飛ぶ
 技術力も現場力も、自由に試せる場所があって初めて意味があるからね。」

スチール猫「つまり今日は、
 『金型をどう守るか』じゃなくて
 『金型を置く国そのものを、どう守るか』の話ってことニャ?」

ケニ「ああ。
 だから難しい安全保障の話を、
 ある一家と強盗って家庭版の物語にしてみた。
 もし自分の家だったらどうするか?
 そんな目線で読んでみてほしいんだ。」

トワ「それじゃ本編スタート。
 タイトルは…
 『ある一家と強盗 〜戸締まりを邪魔する家族たち〜』。」

静かな住宅街のはずれに、一軒の立派な家があった。
庭にはよく手入れされた木々、車は最新型、家の中には最新家電。
近所からは、こう呼ばれている。

「あそこは裕福だけど、昔のケンカで懲りて、
二度と殴り合いはしないって家訓を決めた家だ」

その家訓の名は──「喧嘩はしない」。
家の者たちは、なんとなくそれを「立派な誓い」として語り継いできた。

家長の名はケンジ(父)
家計を支え、家を守る責任を一身に背負っている現実主義者だ。

第1章 不穏な隣人

ある日を境に、隣家の男の様子が変わり始めた。

元々ガタイは良かったが、最近さらに筋肉が盛り上がり、
庭では毎日のようにバールやナイフを振り回している。

「おいケンジ、その庭の一角、前から欲しかったんだよな。
そのうち話しようぜ?」

笑っているが、目が笑っていない。
庭の塀の向こうから、そうした声がちらつくようになった。

さらに悪いことに
近所の交番(昔から付き合いのある警官=アメリカ)からも、
少し前とは違う空気が漂っていた。

「いやぁケンジさん、もちろん何かあれば駆け付けますよ。
でもね、最近この辺り物騒でしてね。
まずは自分の家は自分で守る準備、しておいてくださいよ

交番の顔色も変わってきたのを、ケンジは肌で感じていた。

第2章 父の決断

その夜、ケンジは一人、リビングのテーブルに地図とカタログを広げた。

「……もう、のんきに構えてる場合じゃないな」

彼が選んだのは、三つの対策だった。

  1. 頑丈な鍵と防犯カメラを導入すること(防衛装備)
  2. 『猛犬注意・主人射撃有段者』という張り紙を玄関に掲げること(反撃能力の明示)
  3. 何かあれば即、交番に連絡が行く仕組みを整えること(安保法制・同盟の具体化)

ケンジの狙いは一つ。

「殴り合って勝ちたいんじゃない。
入ってくる気を失わせたいんだ」

つまり、戦うためではなく、
戦わなくて済むように準備する」──抑止力である。

第3章 家族会議、波乱の開幕

翌日。
リビングのテーブルには、新しい鍵の見積書と防犯カメラのパンフレット。
玄関には、試しに作った『猛犬注意・主人射撃有段者』の張り紙。

それを見た途端、家の中に嵐が巻き起こった。

① 長女・ハナ(性善説のお花畑派)

「お父さん、その張り紙なに!? やめてよ!」

ハナは眉をひそめ、張り紙をぐしゃぐしゃに丸めようとした。

「あの人が怒っているのは、お父さんが睨むからよ。
怖い顔で鍵を増やすから、相手も身構えるの!
お菓子とお小遣い(経済援助)を持っていって、
ちゃんと話せば分かり合えるはずだよ。
あの人は本当は悪い人じゃないよ、きっと

ハナの頭の中では、

「話し合い = 万能魔法」

のようだった。
鍵を強くすることは「相手を刺激する悪い行為」に見えている。

ケンジはため息をつく。

「ハナ、お前の優しさが嘘だとは言わない。
だがな、家にバール持って覗き込んでる相手に、
チョコとポチ袋だけで本当に通じると思うか?」

ハナは唇を噛みしめて、視線をそらした。

② 長男・レオ(革命ごっこがしたい確信犯)

今度は長男のレオが、勢いよく立ち上がる。

「親父は何を考えてるんだ!
こんなの 戦争準備法(ご近所トラブル法)だ!
うちの家訓──喧嘩はしないに違反してる!
俺は断固反対だ!」

言ってることだけ聞けば、「平和主義のヒーロー」だ。
だが、彼の胸の内は少し違っていた。

(今のこの家の仕組み、親父のやり方……気に入らねぇんだよな。
一回、家の中ぐちゃぐちゃになった方が、
俺が新しい主として仕切れるチャンス、来るんじゃないか?)

レオの心の底には、

「親父と今の家を壊したい」

という野心が、炎のようにくすぶっていた。

第4章 運命の分かれ道

ケンジは、二人の言い分を黙って聞いていた。
長女の「善意」。
長男の「仮面をかぶった野心」。

だが、そのまま時間は過ぎていかない。
隣の男は、日に日に図々しくなっていく。
塀越しの視線は、もう完全に「品定め」のそれだった。

その夜、ケンジは一人になって考えた。

「鍵を弱くしろ、と言う家族。
それを見てニヤリと笑う隣人。
俺は家長として、どっちを向いて立つべきなんだ?」

ここから先は──二つの未来に分かれていく。

バッドエンド:家族の声に押し切られた世界

「……分かったよ。そこまで言うなら、鍵も増やさない。
張り紙も剥がそう」

ケンジは、長女と長男の前で、防犯計画を白紙に戻した。
ハナは胸をなで下ろし、レオは薄く笑った。

その夜遅く。
静まり返った廊下に、カチャ、カチャ、と音が響く。

「……おっ、ほんとに鍵、ユルユルじゃねえか」

塀の向こうから聞こえていた声が、今度は家の中から聞こえる。
強盗は、誰にも邪魔されずに家へ侵入した。

ハナが悲鳴をあげる。

「ちょっと! 話し合いって言ったじゃない!
お菓子だってあるよ!? ねぇ、やめてよ!」

レオは慌てて媚びを売る。

「俺は味方だ。親父とは違う。
今の家を壊したいなら、協力するからさ……!」

だが、強盗の答えは一つだった。

「うるせえ。話し合いがしたいんじゃねえ、
欲しいのはお前らの家と財布とお前らの自由そのものだ

結果、家の財産も、自由も、そして誇りも、
全て奪われてしまった。

「無抵抗」は「平和」ではなく、
「奴隷」への入り口だった──それを理解した時には、もう遅かった。

ハッピーエンド:父が家長として立った世界

別の夜。
ケンジは、同じように一人でテーブルに向かっていた。

しかし今度は、決意が違った。

「……家長が腹を括らずに、誰がこの家を守るんだ」

翌朝、ケンジは静かに宣言した。

「鍵は増やす。カメラもつける。
張り紙も堂々と貼る。
何かあれば交番と連携する。
これは殴り合いをするためじゃない
お前たちに一生、『命を張る場面に立たされないようにする』ための準備だ

ハナは涙目で反論しようとしたが、
ケンジの眼差しを見て言葉を飲み込んだ。

レオは鼻で笑ったが、
「親父、本気だな」とだけ呟いて部屋へ戻った。

その日の夕方。
隣人の男が、いつものように塀の向こうからこちらを伺う。

しかし、見える景色は昨日までと違っていた。

玄関には、防犯カメラ。
門には、『猛犬注意・主人射撃有段者』の張り紙。
そして、門扉の向こうには、
無言でこちらを見つめるケンジの姿。

「入ってきたら、撃つぞ。
俺は喧嘩をしたいんじゃない。
家族の平和な夕食を守りたいだけだ

その目に、嘘はなかった。

隣人は舌打ちをして、肩をすくめる。

「……チッ。
あそこの家は割に合わねぇ。
もっと楽な家を探すか」

その日、家族の誰の血も流れなかった。
いつもと同じように、
食卓には夕飯が並び、
テレビからはどうでもいいバラエティ番組の笑い声が流れていた。

エピローグ:この物語が映しているもの

この一家の話は、ただの家庭内の出来事ではない。

  • 「我が家」= 現代の日本
  • 「家訓(喧嘩はしない)」= 憲法9条の解釈
  • 「頑丈な鍵・カメラ・張り紙」= 防衛力と反撃能力の整備
  • 「交番との連携」= 同盟関係の具体化(安保法制)
  • 「長女」= 善意だけで相手の善性を信じる平和ボケ層
  • 「長男」= 体制を壊したくて、日本の弱体化すら利用しようとする確信犯
  • 「隣人の男」= 力で現状変更を狙う周辺の脅威
  • 「父の覚悟」= 現実を直視する政治的意思と抑止力

この寓話が伝えたいのは、たった三つ。

  1. 「戦争法」と騒いでいるものの正体
    ──本来は「強盗が入らないようにするための警備強化」を、
    泥棒の都合に合わせて「戦争準備だ」と騒いでいるに過ぎない。
  2. 「反撃するな」の末路
    ──強盗に対して「何もしない」ことは、
    命を守る術ではなく、「どうぞ奪ってください」という招待状になる。
  3. 最大の敵は、外ではなく中にいることもある
    ──外の強盗よりも、「鍵をかけさせない家族」──
    善意の無知、あるいは悪意ある確信犯こそが、
    安全保障上、最も危険になることがある。

ケンジが最後にぼそりと呟いた。

「喧嘩をしたくないなら、
喧嘩を売られないように準備することだ
それが、家長の責任ってもんだろ」

その言葉は、
現代日本のどこかで、
静かに鳴り響いているのかもしれない。